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城陽市観光だより

 城陽の観光スポット<自然探索>

里山の歴史と自然を訪ねて ─ 高塚林道の秋 ─

木々のささやきが聞こえるさわやかな秋。山あいに眠る歴史と自然を求めて青谷山中・高塚林道を訪れました。幻の観音寺伝説や約175万年前の火山灰層、椎尾の滝など神秘的な歴史と豊かな自然に出合える場所をご紹介します。先人が育んできたこの風景、いつまでも大切に守りたいですね。

昔、青谷の東方、椎尾に観音様を祀ったお寺がありました。このお寺は、その後、兵火にあい焼失しましたが、本尊の千手観音立像は、無事に運び出され、里にお堂を建て安置されました。これが、観音堂の地名の由来であると伝えられています。この夏に、城陽市歴史民俗資料館職員が市史編さんと里山をテーマとする企画展に向けての資料収集のため、椎尾山観音寺の寺跡を求めて山中を調査しました。残念ながら今回の調査では、寺跡を見つけることはできませんでしたが、自然の宝庫や火山灰などの貴重な「発見」がありました。秋晴れのある日、「高塚林道」を同資料館の大畑主幹らの案内で歩いてみました。
杉



秘められた歴史・自然を求めて、出発!

国道307号の鴨谷バス停を下車し、レストランの向かいの道を入ると木の橋が高塚林道へと案内してくれます。昭和28年に、城陽町森林組合が府の補助を受けて工事を進め、今は延長1,119b、幅3bの林道となっています。 ススキ、ハギ…の草花やクヌギ、スギなどの木々が生い茂る谷間を5分ほど歩くと、右手、奥の方に坑道跡がありました。入り口からのぞくと中はまっ暗。興味をそそるこの坑道は、戦時中にマンガンを掘った跡らしく、30bもの奥行きがあるそうですが、内部にガスなどがあるようなので深く入るのは危険です。この辺りまで来ると、車の音 とさよならし、谷間を流れる水のささやきが 聞こえます。ノギク・ツリフネソウなどの草花を見ながら、歩いていると左手に寺跡ではないかと思わせる大きな石組みが…。しかし、これは高塚山開発のとき、土砂留め用に造られたものだとか。幻の寺跡はいったいどこに。 坂を登り切ると右手に崖面が見えてきました。この崖面こそ約175万年前の火山灰層なのです。飛騨高山付近で起きた火山大爆発の火山灰が200`bも離れたこの地に堆積したもので、地表で観察できる数少ない事例だということです。地元の人たちは、「ツチコヤマ」と呼び、昔、この土を磨き砂として使っていました。
ツリフネソウ
ススキ 坑道跡 火山灰層 野菊



残された豊かな自然
池
鳥のさえずりとともに、また、水音が…。音に誘われ降りてみると、二方から流れる谷川の合流点に細長い池がありました。高塚林道の最終点となるこの池は、キラキラ光る水面をミズスマシが泳ぎ、カワニナが川底に。清んだ池と朽ちた丸太の橋…絵になる風景です。遠い水音に惹かれ、草木をかき分け斜面を登ると、突然、高さ5bほどの滝が現れました。ここが、昔観音寺の僧が修行したと伝えられる「椎尾の滝」です。岩を流れ落ちる滝の音は一層大きく響き、滝を覆うシダは幻想的な世界へと誘います。一息ついて、見上げると、スギ、ヒノキ、マツ…と木々が天に向かって伸びています。空の青、木々の緑、紅く色づいた1本のモミジ。これらの美しさは疲れを吹き飛ばしてくれます。
滝


守り育てたい大切な里山

人の心を和まし、エネルギーを与えてくれる山々。里山は、古くから清らかな水を生み、樹木や生き物を育て、何よりも人々との生活と強く結びついていました。人々は山で、山菜やキノコ、燃料や材木などをとり、繰り返し利用してきました。それが山の手入れにつながり、人と山が支え合って生きていたのです。しかし、プロパンガスの普及などから燃料採取の必要がなくなるなど、この共生関係がくずれ、山は荒れつつあります。人の力を得て山が元気に生き、人も山から心のやすらぎをもらう、そんな自然と人との関係を大切にしたいですね。往復約2時間かけて散策。伝説を秘めた高塚林道を市政広報テレビ番組でお届けします。美しい映像をぜひご覧ください。また、城陽市歴史民俗資料館の企画展示図録「山」にも詳しく紹介されています。
里山


鴨谷の滝「京都自然200選」

鴨谷は城陽市の東南部森林地帯に位置する青谷上流の渓谷で、今でも人が余り立ち入らない自然が保存されており、秘境と云えます。 この青谷川の支流に「鴨谷の滝」があり、また高塚林道の奥に「椎尾ノ滝」があります。
青谷川の木橋から150mほど進むと案内板があり、ここが「京都の自然200選 鴨谷の滝」「椎尾ノ滝」との分岐点です。左手の崖を登り、山道に入り、約200mを進むと青谷川支流の川原に降り立ち、渓谷が始まります。両岸は傾斜の急な山肌で、道はなく登ることはできないので、谷を進むためには川の岸辺や流れの中を歩きながらさかのぼります。約400mで滝に到着します。
この滝が京都自然200選に選ばれている「鴨谷の滝」です。
「鴨谷十八滝の一つで、水は岩にせかれて二段となり、水声をとどろかせている。」(「昭和京都名所圖會」より)
次に「椎尾ノ滝」は、山道を上がらずに、高塚林道をまっすぐ進めば約1,200mで「椎尾ノ滝」へと通じ、高さ5mほどの滝が現れます。ここが昔、観音寺の僧が修業したと伝えられる「椎尾ノ滝」です。
岩を流れ落ちる滝の音は一層大きく響き、滝を覆うシダは幻想的な世界へと誘います。

里山
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「京都の自然200選」鴨谷の滝

地図
お願い

●駐車場がないので、バスをご利用ください。
●山中は、木が生い茂り、人里から離れています。
一人で行かれるのは危険です。
●火山灰層、池・滝、草花に木々…みんな大切にしましょう。
●空き缶などゴミは、必ず持ち帰りましょう。




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